ファウスティングの功徳
先述したように、フランスでは「断食」「ファウスティング」は「メスのいらない手術」と言われていて、それほど全身の汚れた細胞を浄化させよみがえらす効果があるということは、自分の身体で実験済みである。
そもそも排泄というのは自然の摂理なので、薬の力で排泄すること自体がおかしい。何度でも繰り返していうが、朝だけ断食をすれば排泄できる。朝、コップ一杯の水を飲むだけで胃が膨らみ腸はぜん動運動を開始する。別に朝食など摂らなくとも腸のぜん動作用は朝は活発になるように仕組まれている。筆者などは、特性食物繊維オレンジジュース(※勝手に自分でそう呼んでいる)を飲むことを習慣にして以来、水など飲まなくとも朝一番スッキリの毎日で、一度たりとて便秘などしたことなどない。便秘の方は試してみてほしいが、水一杯がダメなら、濃い塩水を飲めば、たちどころに排泄できる。腸のぜん動運動を活発するのは「塩分」だからだ。
イタリアでは「エクストラ・バージン・オリーブオイル」をスプーン一杯分、毎日、子供に与える風習がある。また同じく、日本の厚生労働省にあたる米国食品医薬品局も、一日にスプーン二杯のオリーブオイルを摂ることを推奨している。便秘予防に絶大な効果があると言われているからだ。オリーブオイルが腸管を動かす秘密は、オリーブオイルに大量に含まれているオレイン酸にあるという。下剤を飲むくらいなら、植物油の中での優等生といわれているオリーブオイルを毎日飲んでみることを強く勧める。
まかり間違っても、浣腸したり、腸内洗浄したり、はたまたコーヒーを肛門から注入するような愚かなことはしてはなにらない。生命体は自然な営みの中で排泄はできるものであり、人間はあまりにも体のメカニズムを過少評価しているのではないか。神様は完璧な体を創ってくれていると信じている。薬や医者にすぐに頼るのではなく、自然治癒力、自分の免疫力を信じることが大切だと思う。現代人は自らの健康を他者や薬に依存しすぎていると感じる。しかし、最終的に自分の体を健康に戻すのは、自分の体力でしかないという実例をたくさん見てきた。
腸の腐敗と便との関係学
腸の状態いかんで体の健康が決まると述べたが、では、今の腸の状態の調子がよいのか、不調をきたしているのか、日常生活のなかで簡単に見分ける方法がある。それは実に簡単に誰の目にも見える形で知らせてくれる。それが「排便」である。便は、腸の健康状態を知らせてくれる体からのメッセージであるのだ。便の色、量、形、におい、硬さは、あなたの腸内環境の良し悪しを如実に反映しているのである。
無論、排便がないという便秘も腸からのメッセージと言える。健康な状態であれば一日一回の排便が普通であり、数日に一回しかなかったり、下痢をして一日に何度もトイレに駆け込んでいるようであれば、腸は正常な状態ではないということを表している。また、便の量は、日本人の平均は約125g~180gで、食物繊維を多く摂っている人は200~300gと便の量が増えると言われているが個人差もある。
朝だけ断食の効果を伝えている、鶴見医師は排便について次のように解説している。
「腸内環境が良かったら便は黄色っぽい色をしていて、肉類、脂肪類の多い食事をすると黒や茶色の便が出るようになっています。普通より黒い便やどす黒い便が続いたときは危険信号。胃や腸のどこかで出血している可能性があります。中でもコールタール状の便の場合は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの疑いがあります。」
「また健康な人の便は、適度な水分を含んでいます。ウサギの糞のような硬くてコロコロした便や、水のような下痢が続いている人は要注意。胃腸などの消化・吸収機能が落ちているサインです。コロコロとした便は質の良い脂肪が不足している時に出やすく、水っぽい便は脂肪過多で起こりやすいと言えます。」
「便がどれくらい水分を含んでいるかは、排便した際の便の沈み具合が参考になります。便はトイレのそこに沈むものと思っていませんか?それは水分不足の便です。腸の中に、長い間留まっていると、水分がなくなりそのようなカチカチの便になります。トイレの水にふわふわと浮くくらいの便が、しっかり消化がすんで、適度な水分を含んだ”いい便”の目安です。」
「肉類をたくさん食べる食生活をしていると、便の臭いも、おならの臭いも、強くなります。・・・・便が臭いということは、タンパク質の摂りすぎで、腸内に消化しきれないタンパク質が溜まり、それが腐敗したからだと考えられます。」
このように排便のときには、すぐ水で流してしまうのではなく、量、色、形、臭い、硬さ、水に浮くか沈むか、など、つぶさにチェックすることにより、今の腸内環境を知ることができる絶好の機会であるのだ。これなら誰でも健康チェックをすることができる。便は昨日食べたものと相関関係があるので、何を食べたらどのような便が出るのか観察することにより、どのような食事がよいか分かることになる。
鶴見医師は「毎日、携帯で写真を撮るなどして食事日記をつけましょう。そうしておくことで、便秘の人ならばどういうものを食べた時に便通があったか分かります。」と、食事の内容と便との相関関係を研究することを奨励している。是非、やってみると発見があるかもしれない。
良い排便の結論・・・・・腸内環境が良好な便は、臭くなく、バナナくらいの硬さで水に浮き、金八先生がテレビで言っていたようなバナナの形状で、色は黄褐色、量はだいたいバナナ2~3本分、いきまずに出るのが最高である。びろうな話だが、お尻をふいてもトイレットペーパーにも便がつかないほどすっきり排便できるのがベストだ。
朝だけ断食をしておれば、排せつの作用が促されるので、だんだんと良好な状態に近づいていく。
女性で「二日に一回の排便だけど私は健康体です」と、胸を張って言われる人もいるが、絶対にそのようなことはないということ。毎日一回、開通快便が健康体であり、それ以外は、どこかに問題があると思うべきである。二日に一回ということは腸内で腐敗が進み、腐敗した結果アンモニアが発生し、それが臓器や血液にまで流れ込み、健康を害することにつながる。
腸内に食べ物を腐らせる悪玉菌が増加する。そして、有毒ガスや活性酸素が発生し、おならや便の悪臭のもとになる。ゆえに、便やおならが臭いという人は要注意である。それは腐敗産物であるフェノール類やパラクレゾールが腸内に蓄積され、肝臓で解毒しきれなかったアンモニアが血液を通って全身に巡っていくことを意味する。毒が全身を駆け巡って、健康になれるわけがないということである。ゆえに、食べすぎこそが万病の元であると考える。
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